・6月


6月30日  華氏911


あー、日本公開はまだなので、当然、まだ見ていないんですが、これを巡る動きがかなり激しいので、断片的な情報をちょっと紹介。

内容は一言で言えば『ブッシュ批判なドキュメント』ってだけなんですが、面白いのは主観的な批判だけではなく、具体的な情報や提案をしていること。

たとえば、テロ以降の『ブッシュが休んだ日数』を明示したり(結構な日数を休んでた。たしか1/3くらい?)、事前に『9/11にテロが起こるかもしれない』という情報を掴んでいたのに、当日は何もせず、のんびりゆっくりと休んでいたんだよ〜、ってなことを紹介し。
また、イラク戦争を支持する議員に突撃して『あなたの息子さんをイラクに派遣しませんか? 兵士として』と提案してみたりと、なかなかやるなあ、という気がします。

ええ、まったくそうなんですよね、戦争に賛成するというのなら、本人、または身内が出兵しなければ嘘です。
口先だけの綺麗ごとは誰でもいえます。むしろ、現実を見据えていない人間の方が、心地良い理想を語ることができるでしょう。
戦争をすれば人が死ぬという事実を見ずに、『国を守れ』『祖国のために闘え!』『命を賭けて闘うのだ!』などと言うことは、実は容易いことなんです。ね、小泉さん?



さて、ブッシュの地元では、映画館に対して抗議メールが一日に1000通も出されてるそうですが、全国的には今週の興行成績1位ですし、かなり多くの人が見ています。
内容が内容であるだけに「リベラルに過ぎる」「この時期に上映するのは政治的な意図がある」といった反論もあるみたいですが、いまさら、『マスコミの公平性』なんぞあり得ないでしょうし、ブッシュを賛美する情報がある以上、批判をする映画に反対するのは間違いだと思うのですが?



あー、ただ、この製作者してるオッサン、微妙にやることがセコイです。
配給元だったディズニーから、『俺はちょっと配給できんよ〜』とかなり前から言われていたにも関わらず、本当に直前になってからそのことを騒ぎ立て、まるで、ディズニーがギリギリで怖気づいたかのように演出してます。
1年も前から『配給できん』と言われてたのに、なに言い出すかな、このオッサンは。

N○Kでも『配給元に一度断られ……』とか紹介されてました。
監督自身、『騒ぎ立てたのは演出だった』と認めてるのにねえ。



追伸

あ、1/3も休んでる、とか書きましたが、たしかブッシュは大のパーティー嫌いで、各国の要人を招待する大抵の場合、自宅やら別送で歓待してた筈。ひょっとしたらそれすらも『休んでいた』とカウントしている可能性があります。
どちらが事実かは分かりませんが、念のため。
このお茶目なオッサンなら、それぐらいの改ざんはやりかねない。



6月29日  奇妙な治療


あー、また色々とサイトを見て回ったんですが、その中で
医療用の「ヒル」販売を認可ってな文章がありました。
なんじゃいこれ? 本気か、正気か、それともギャグ? とか思っていたんですが、ちゃんとした医療行為だとのこと。
ヒルは血を吸う際、血液が固まらないようにする物質を送り込むので、ヒルが吸い終わった後もゆるゆると血が流れる。なので、『血が固まっては困る』ってな部位への治療に最適。また、噛みつく際も麻酔物質が出るので痛くないらしい。
まあ、普通に人間が注射器で血を抜くよりも効果的、ということなんでしょう。

患部にヒルをかませて血を吸い取る、という治療行為はかなり昔からあり、数千年前からすでにあったようです。
現代でも続いているということは、効果があるってことなんでしょうけど。
うーむ。
だからといって医療品として売るのか?
ガラス瓶の中で、ヒルが何匹もウニョウニョな状態で売られてるんでしょうか?
いくら効果的とはいえ、現代最新医療どころか中世暗黒医療な雰囲気が漂ってるような気がします。
瀉血(しゃけつ・意味=血を抜けば元気になる)なんて、もう昔のもんだとばっかり思ってましたよ。


あ、それと
低気温のエクスタシーbyはなゆうによると、このヒル以外にもウジを使用した医療行為もあるそうです。
いい塩梅に腐ってしまった部位にウジ君を乗せると、その腐った部分だけを上手に食べてくれるってさ。


――健康って、大切ですね。(しみじみ)


6月27日  熱い冬眠



おおおおお!!!
素晴らしい! というか何でいままで誰も気がつかなかった!?
誰か発見せえよ!
シーラカンスの時と同じかよ研究者!
また、イスに座ったままで「そんなことはありえない」とか言ってるんじゃないだろうな!?
21世紀にもなって『霊長類の習性』で新しい発見かよ!
すごい簡単に分かりそうなもんじゃないか、これ!?



ぜいぜい……
ちょっと、頭冷やします。



ふう。



深呼吸。



ふう、すう。



ずずっ。←お茶飲んでます(マジ)





――えーと、ですね。
マダガスカル島のキツネザルが、冬眠っぽいことをしてるのが発見されました。

「なあんだ、そんなことか」とか思った人、一歩前。

わずかでもSFをかじったことのある人間なら、この事実からある単語を連想せずにはいられないでしょう。
すなわち『コールドスリープ』!!

広大な宇宙空間に乗り出すためには様々な障害がありますが、その中でも『時間』はかなりの難敵。
なにせ、最寄の恒星でも4光年とか5光年とか平気でかかる。
この世でもっとも早い速度を使っても4年以上。
ロケットなんかで行ったらどれだけかかることやら検討もつかない。
そこで『なら途中はずっと冬眠してしまえ』というのが、この『コールドスリープ』。

ただ、アイディアは良かったものの、冷凍してから復旧するということが難題なんですな。
人間は冬眠するようにはできていない。そして、冷凍すれば細胞は壊れるようにできている。
カエルやら単細胞生物とは違って、人間はデリケートにできているので、不凍液を体に流し込んでなんとかする、というのは難しい。

たまにテレビで見てみても、『人間で成功するのは、あと50年は先だろうな』と思うようなのばっかりですし。
精子なんかではグリセリンにつけることで冷凍保存が可能になってるけど、それはあくまで単純な細胞であるため。
複雑な組織なんかではまだまだ不可能。
この手法は1940年代には確立してるのに、その後の研究は、なかなかに歩みが遅いです。

最近では、リスやらクマから抽出した冬眠するための成分、HP蛋白質を注入するという方法もあるみたいですが、あまり芳しくないようす。
というか長期の冬眠だと、普通に筋力が激減してしまうし。



……そんな中、登場した、このニュース。
『熱帯地方』に棲んでいて、『霊長類』で、『体温をさほど低くせずに』、『冬眠』する。
体温を15度から33度まで『冬眠中』に上下させるというれ業までやってくれてます。

私が叫んだ理由、すこしは分かってもらえましたか。

つまり、ですね、いわゆる『冬眠』と『寒さ』の間には、必ずしも関係性がないといえるんです。
研究チームなんかは「『冬眠』が寒冷な気候とは無関係であることが証明された」とまで豪語してます。
どういうシステムでこんなことが可能なのか、詳しくは分かってないですが、すくなくとも『ほぼ常温でのコールドスリープ』というのも不可能じゃないかもなんですよ!

凄いぞキツネザル!!
同じ霊長類だから、冬眠するための物質も、人間に適合する可能性があるぞ!!






――――ただし、ここで問題が一つ。
このキツネザル、絶滅寸前です。
マダガスカル島だけに生息し、保護運動の対象にさえなってます。
実験動物なんかにしたら袋叩きにあうのは確実。
というかしちゃいけない。
レッドデータブックとかにも、乗っていることでしょう。


……やっぱ、コールドスリープ、まだ先の話、なんですかね……




6月26日 マリファナ風味のウォッカ、チェコで販売


――これ、飲んでみたくありません?
いわゆる違法な麻薬成分はないそうですが、風味だけはするらしいです。
麻薬なんぞ正直やりたくもないですが、その『味だけ』となると、ちょっと興味がわいてきます。
十中八九、ほぼ間違いなく不味そうですけど、一度くらいは試してみたい。

それに、これでよく刑事ドラマとかである『これは……マリファナ!?』ってな台詞も言うことができます。
少しだけ舐めてから、あさっての方向を鋭く睨みながら言えば完璧。
港やら空港でやると、より臨場感アップ。
その場で味とか詳しく説明したら、周囲の人間引くことは間違いなし!
……捕まったり補導されても責任は持ちませんけどね?

あ、ちなみに値段は0.5リットルで345円。
意外と安い。




追伸

調べてみたら、チェコよりも先にロシアで『カンナビス・ウォッカ』なるものが販売されてましたな。
こちらは裁判沙汰にまでなったそうですが、結局は『合法』と判断されたとのこと。

ネタ元・
海外ボツ!Newsさんより。




6月25日  ゲーム脳


『ゲーム脳の恐怖』、とかいうトンデモ本があるらしいですな。
いろいろと要約して一言でいえば、『ゲームしてると馬鹿になる・キレやすくなる』というだけの話らしいんですが、脳波の説明は間違っているわ器具の知識は正しくないわ論拠につっこみどころがありすぎるわで、誰がどう見ても『書いた本人の方が馬鹿だろ』という結論しか出ない本です。

ただ、ここで面白いのは、本の内容そのものではなく、どうも結構な数の知識人やら一般常識人がこの情報を鵜呑みにしてたことです。
書いた人間が大学の医学博士ということもあるんでしょうが、『ゲームをしてるとやっぱり危ないんだ』という情報だけが先行し、その本の内容そのものを吟味してないパターンがほとんど。
Googleで検索してみても、肯定的なところで論理の欠点を指摘してるとこはないですな。



しっかし、本当にこれは、誰にとってもよくない本です。
ゲームを肯定する人間にとっては『間違った情報でバッシングされる』ということになりますし、
逆に否定する人間にとっても『本当にゲームが人体に悪影響があっても、肯定しにくい風土になった』ということになります。
そして、こうした『間違ってはいるけどインパクトがある情報』というのは、得てして長く残りやすいです。
明らかに間違っているにも関わらず、です。

本書内において、アルファ波もベータ波も、いまだに働きが良くわかっていないのに、『ベータ波が良くてアルファ波が駄目』とか結論出してますし、長期的な変化に関しては推測・推論でしか物を語ってない。シータ波・デルタ波の検出もしていないし、本当に、なんでこんなことを信じる人間がいるのだろう、というお粗末さ。
それでも『ゲームをしてる人間の気持ちなんて理解したくない』という人にとっては、格好の『後ろ盾』と『論拠』を得た形なんでしょう。





・蛇足

――――中学生以下で犯罪を起した人間は、携帯電話の所持率が高い。てな記事がありました。
一般少年は57%、非行少年は72%の所持率です。
これで『携帯電話を持っている子供は暴力的・キレやすくなる』という結論は出るでしょうか?
そう、そんなわけはないんです。
ちょっと考えただけでも別の理由を思い浮かべられます。たとえば『気軽に携帯電話を与えるほど親が甘やかすと非行に走る』、もしくは、『不良少年同士のつながりが、携帯電話を持つことで断ち難くなる』『授業中にメールをするので、いつのまにか勉強についていけない』などなど。

これだけで携帯電話を持つ子供=キレやすいとは言えないんです。





6月24日  禁じられた楽園(ちょいネタバレ)


恩田陸さんの小説第三段。なんですが……

…………ああ、またか。
またなのか恩田陸ーー!!

途中があれだけ素晴らしいのに、なんでこんな不条理な最後になるんじゃーー!

あー、もー、本気でそう叫んでしまうくらい『惜しい』んですよ。
前に紹介したQ&Aよりも、こちらの方が個人的には好きですし、挿入されてるエピソードも自然に溶け込んでる感じがして心地いいです。
ですが、そう、ですが、やはりやってくれましたこの人は。『ラストがちょっとなあ症候群』。この病気に本作も例外なく罹ってます。
Q&Aほどの違和感はないものの、納得のいかない度合いでは遥かに上です。

えー、内容を紹介すると、同級生である天才芸術家、烏山響一からの招待を受け、平凡な大学生、平口捷は野外美術館へと行くことになる――ってなだけなんですが、これに加えて芸術家である『律子』や、『和繁』と『夏海』の視点も加わり、物語を重層的にしています。
また、ここでは芸術と超能力とをほとんど同一のものとして扱い、その上でホラーをプラスしてます。
脳内イメージを外に発現させる力と、それを感じ取る能力、ってな形で、芸術家と批評家を規定してるんです。
このために、ホラーな出来事が起こっても、すんなりと受け入れてしまう部分があります。

そして、なんと言っても、ここでの白眉は『野外美術館』でしょう。これが凄いんです、この作者のイメージの豊富さに圧倒されます。
『現実にあってもおかしくなさそうな、それでいて現実から一歩ずれた空間』を表現しきってます。
というか、普通にちょっと行きたくなってる自分がいます。実際に作ったら偉い制作費が掛かるんでしょうけど。



んでもなあ……
最後に近づくにつれて、なんだか嫌な予感はしてたんですよ。
分量的にとてもじゃないけど纏められないと思えたんです。

そして、予想通りな、ある意味では予想以上のラスト……
あんなどんでん返し、またはちゃぶ台返しをするとは思いもしませんでしたよ……
一番表現したい部分はラストよりも前、ってな部分は分かるんですが、それでもなあ……

『大風呂敷を広げるだけ広げ、たたむことなくマジックで消した』みたいな終わりかたです。




うぅ、いや、それでもやっぱり、間違いなく面白いんですけどね。



6月24日  レミングスは溺れない


だ、そうです。

――って、これじゃあ、よく分からないですな。

レミングスというと、例の『集団で崖から転落、自殺するネズミ』というイメージがどうしてもありますが、それは正確なものではないみたいです。
もともと、唐突に増えては唐突に減っているので、『もしかしたら自殺してんじゃなかろうかのう』ってな噂話程度らしいです。

本当を言えば、まんま自然の摂理によって増減してるだけ、ってなオチです。
つまりは、捕食者が食い散らかせばその分、レミングスが減る→食料が無くなり捕食者も減る→天敵が減ってレミングス大増殖→食べ物が増えて捕食者増加、というプロセスを描き続け、減っては増え、増えては減りを繰り返してるだけなんです。

ただ、その増減があまりにも激しいために、『増えすぎたから集団自殺』という妄想が入り込んでしまったんですね。


まあ、考えてみればネズミごときが『大自然を守るため……犠牲になろう……!』とか考えないですよね、増えるだけ増えて自滅する方が動物的な行動だと思います。

ですから、スーファミのレミングスも嘘っぱちなわけですね。
一斉にぽこぽこと弾けて自殺する様は、なかなかに爽快なものがあったんですが……




――しかし、いわゆる『野生のスバラシサ』みたいのは、どんどんと無くなってますね。ちょっと考えただけでも、

『肉食獣は無駄な捕食はしない』――嘘です、普通に遊び半分で殺します。
『同性愛は人間特有』――蠅でも同性愛行動をおこすやつがいます。
『いじめも人間特有』――んなわきゃない、弱った個体は仲間からも攻撃されます。
『鳥に不倫はない』――いわゆる『つがい』でも、夫が必死に育ててる子供は実は別の鳥の……ってなことがあります。(涙

脳みそだってイルカの方がシワ数多いですし、人間ってのは、人間自身が思ってる以上に動物的なんじゃなかろうかと思います。

人間だけがする行動、っていうのがほとんど無いのが現状みたいですし……




6月23日  Q&A


今回は書評、恩田陸さんの『Q&A』です。
ちょうど昨日、読み終わりました。

えーと、感想としては、うーん……
『普通に野球をしていたら、突然、球がテニスボールに変わった』みたいな?(謎)
恩田陸作品に共通して言えることですが、ラストがちょっとなあ、という感じです。

もうひとつの共通項、それまでの過程がべらぼうに面白いというのは健在なんですが。


内容としては問いと答えだけで進行するシリアス小説、とかどこかで書いてありましたが、より正確に言うとインタビュー形式が基本となった小説、という印象でした。

なにせ、この小説、
地の文が存在しません
すべては会話によってのみ成立してます。
もっと詳しく言うと、地の文がすべて質問者の言葉になってるんですね。つまりは第三者的に動きを伝える文がまるでありません。
録音したインタビューを再生したらこんな風なのかな、と思いました。

中心となる問題は、とあるビルで起こった災害。
死亡者69人にも上ったこの事故の、原因を調べることが中心です。
当初は火事やら毒ガスと言われていたものの、だんだんと原因を究明していくうちに『何も無かった』ということが分かってくる。では、いったい何故これほどまでに死者が増えたのか。集団心理と言われているのは本当なのか? 真の『原因』は? といった感じですかね。

会話文だけで成立しているものの、章ごとに答える人間も変わって飽きさせず、スリリングで楽しい、読んでみる価値はある本だと思います。



――ただ、なんであのラスト? という気分は拭えないんですが……




6月21日  さいばーわーるどへようこそ


サイバーですよ、サイバー!
ついにマトリックスやらクリスクロスやらバルドフォースの世界ですよ!←問題あり。

え、えーとですね、アメリカのとある研究チームが、
念じるだけでゲーム操作を可能にすることに成功したそうです。被験者は指一本動かしてません。脳に電極を取り付け直接操作!
そう、これこそ夢見ていたさいばーな世界への入り口です。
ジャックインやらサイバーインです!
『絶対安全』とか保障しときながらどっかで欠陥が見つかり、結局、命賭けの大変なことになるゲームへの第一歩です。←違う。

きっと、人格をもったコンピューターが出現したり、製作者が暴走したり、精神がサイバースペース内に存在する日も近いことでしょうね。←更に違う。

ああ、なんて素晴らしい……←人間として間違えてる。


実験で行われたゲームは、簡単なガンシューティングのようですが、数分間の訓練を受けた後、全員が結構な的中率をたたき出しました。
下は74%、上は100%。
難易度がどの程度かは知りませんが、良い成績です。


……あー、しかし、本当に、これはどんな感覚なんでしょうかね?
視線の先にそのまま行く、というわけでも無いでしょうし、指やら腕を使うわけではないんですから、かなり妙な具合になるような気がするんですが。
傍から見たらかなりカッコイイんでしょうけど、やる本人はかなり大変そうです。
睨むだけでどんどん倒れてく画面内の標的、でも本人は『うわ、ちげ、そっちじゃねえ! ええい、まどろっこしい! 誰かコントローラーを貸せ!』みたいな。
逆に慣れれしまえば、普通の人よりもよっぽど上手な操作が可能っぽいですけどね。
格ゲーとかでも入力ミスゼロ、どんな難しいコンボでも一発OKとかできそう。


――ちなみに、現在は、大脳皮質表面に電極を取り付けなければ、このゲームはできないみたいです。
つまりは頭蓋骨切開の必要アリな、トレパレーション。
今後は、無線での連絡を研究するとのこと。



6月20日  効果的なスト


フランスで電力会社を民営化する動きがあるみたいです。
まあ、それ自体は『電力が供給できないために大都市が停電』とかならない限り、良いことだとは思うんですが、この場合の問題はリストラ。
民営化されて、効率を求めるようになれば、当然、首を切られる人間も出てくるわけで、「そんなイヤじゃ!」と、現在、ストの真っ最中です。

ここで面白いのは、そのストのやり方。
多分、一番効果的な方法だと思うんですが、なんと賛成している政治家の家に対して
電力を止めてます


――思わず、スゲエと呟いたのは私だけですかね。

これ、やられる側はたまったものじゃないですね。いくら口先で主張しても家に帰ったら真っ暗闇なんですよ?
隣近所は煌々と光ってるのに自分のとこだけ空き家ちっく。闇の中に埋もれてる。これだけで帰る気をなくします。
さらには冷蔵庫も停止。クーラーもなければテレビも見れない、パソコンでだって電池を常に気にしなきゃいけない。電子レンジも使えないので冷凍食品も不可。おそらくお湯を沸かすのさえひと苦労。
エジソン以前の世界にタイムスリップですよ。
少なくとも私じゃ三日と耐えられないでしょうね。
夜になったら、寝る以外の行動はほとんど出来ない。
しかも、睡眠開始時間は夜の6時やら7時。
――かなり辛いです。

まあ、これを耐えてでも「電力は民営化すべきだ」と言い切れたら、その人は真の政治家なんでしょうな。




ちなみに、フランスでは持ち株の70%を国が保有し、完全な民営化はしないそうです。
これが先に決まったのか、後で決まったのかは不明。




6月19日  CLANNADこんぷ(この文章はネタバレのみで構成されています・あとファンの人は見ないで)


あー、なんか終わってしまった……
ただ、どうしてでしょう?
なんかこう、「すげえ! これ名作だぜ!」と叫べる作品ではないような気がします。
恐らくはボディブローのようにジワジワと効いて来る気はしますが、今のところの感想は「ああ、終わってしまったなあ」という一語に尽きます。

……何かが足りない。
そんな気分がどっかにあります。

一番大切な、一つのエピソードが抜けてしまっている違和感でしょうか?
ほんわかした雰囲気は大好きなんですが、どこか『ちゃんと達成されてない、届いてない』感じがします。

それはあの一番盛り上がる箇所でのムービーの長さだったり、最後の女の子の意味不明さだったり、テーマ追求の足りなさだったりするんでしょうけど――


結局、一言で表現すれば『中途半端』な感じがするんです。

少し前にやったのがFATEであったということも関係してるかもしれませんが、『起こってしまった悲しい出来事』を、『奇跡』やら『想い』で変えられてしまうのは、どうしても納得ができません。

ましてや、あれだけ現実をしっかりと描こうとしてる姿勢があるだけに、5年もの間、苦しんだ主人公の気持ちや汐の寂しさが、すべて『無し』になってしまうのは違うような気がして仕方ないです。

『奇跡』や『想い』で変えられるのは、未来をほんの僅か、良い方向へと軌道修正するものであるべきでしょう。
そうでなければ、主人公が苦労し、その上で積み上げてきたものは全て無意味になります。
更に言えば、苦労の度合いで言えば主人公の父親の方が上な気がします。
彼の妻、主人公の母親の交通事故が、この町で『無かったこと』にできないのはどういう理由でですか?
人との繋がりを維持できなかったから? 
気持ちを封じ込めたから?
息子に暴力を振るったから?
あの町で同じような想いをしてる人はたくさんいるだろうに、主人公だけが特別でいられる理由は?


……ちょっと暴走気味ですが、とにもかくにも、『気持ち』やら『想い』が直接的に過去を捻じ曲げてしまうのは、ちょっと個人的に許し難いんです。しかも、それが生き死にであるのならばなお更です。




汐が病気から回復し、渚とほんのわずかでも再開できる、ってな程度であればまだ理解できるんですが……

現代に生きていて、『奇跡』をそのまま許容できるほどに出来た人間ではないので、私の評価はアフターストーリーで落ちました。
人の想い『だけ』で物理法則や因果律を変えることを認めたら、大半の新興宗教が許容できます。
どれだけ後悔しても変えられないからこそ、過去は尊いのです。


たかが物語とはいえ、いや、物語だからこそ、そこら辺の線引きをしっかりとするべきだと思うんですが……




6月17日  CLANNADその2(ちょいとネタバレ)



……わたしゃ『君が望む永遠』をやってるんでしょうか?
藤林姉妹攻略しました。

このなんともいえないモヤモヤ感とか似てる気がして仕方ないんですが?
というか性格もほぼそっくりだし(勝気な姉御肌に大人しい引っ込み思案)、ルートがヤバイ方向へ強制されるのも、大人しいだけかと思っていた子が見せる意外な一面も、主人公がヘタレ化するのも、なにもかもが彷彿とさせてくれます。

『君が望む永遠』の学生編、こんな印象だったなあ、と思わず思い返してしまいましたよ。


……いや、まあ、面白かったことは面白かったんですが……
なにかこう、納得がいかないというか……

直前に柊勝平ルートを通ったためかもしれませんけど、いまいちスッキリしません。




以下、ss書きの戯言。

――ところで……
ふと、思ったんですが、このエンドのしばらく前から、『君が望む永遠』ルートに誘導するってことも可能な気がするんですが?
ここまで似てるんだから、いっその事、交通事故にあってもらい、そのままドロドロな三角関係を描いたら、それはそれで面白いような気がしてならないんですけど……
私ってば外道ですかね?
後半、微妙に椋が怖かったし、後押しがないと杏もしばらくは踏み込めそうもなかったし、主人公ですら春原の助言が無ければいまだ悶々としてたこと間違い無し。



どんな話か、ちょいと妄想してみると……

――椋を振ろうと決意したものの、椋が交通事故にあってしまい言い出せない主人公、結局、泣き崩れる椋を放っておけず付き合ってしまう。
更には「椋とは別れた」などと嘘八百を言い杏とも付き合う。
――告白され、ベッドの上でうれし泣きをする椋。
――やっと恋人になれて公然といちゃつく杏。
二人の間を行ったりきたりするコウモリぶりを発揮するもあっけなく露見。椋は杏の、杏は椋のキスシーンを見てしまう。幼いころからの、愛憎半ばする感情をぶつけ合う二人。逃げる主人公。乱舞するタロットカードに漢和辞典。繰り広げられる書いてる方も読むほうも胃が痛くなるようなメロドラマ!

…………いや、書かないですけどね。そこまで書く根性もテクニックもないですし。







――――でも、基本はやっぱり包丁?(謎)




6月16日 ふと思う理不尽


私は結構、料理が好きです。
自分で適当に作ったりもします。
腕は良いとは言い難いですが。

ですがね、必死こいて作った料理よりも(2時間くらい)、適当に味付けして焼いた牛肉の方が美味いというのは、世の中の不条理をひしひしと感じるわけです。
所詮、いくら頑張っても牛肉には叶わないのか、と実感する瞬間です。

あと、気合と美味しさがたまに反比例したり(流石に毎回ではない)、本格和風なダシを取っても味の素を入れなきゃもの足りないとか、前回作った料理をそのままやったつもりなのに、『美味しさ30パーセント減』だったりした日には、「けっ、料理なんて二度とするかぁー!!!」と夜道に吠えたくなる気分です。

……でも、だいたい3日後ぐらいにはリベンジしてる自分がいます。
どうしても、『何が原因だったのか』を確かめたくなるんですよ。


――この辺の悪循環は、ものを書くという作業と似ている気がします。
失敗してはまた繰り返すという点でもそうですが、
必死こいて『理論的にはこれで上手くいくはずだ』とか『こういうのが良いのか、でもピンとこないなあ』というのは大抵、失敗してるんです。料理の時も文章の時でも。
それよりも「あ、これとこれの組み合わせって美味そう」とか「こういう感じのって良さ気だな」という直感の方がだいたい当たります。
そう、それこそ2時間かけて作った料理よりも、牛肉の適当味付けの方が美味しいように(しつこい)、シンプルなものの方が上手く行くんです。
まったくもって、悔しくもあり、意外でもあり、不思議なもんです。



なんにしても、『作る』って作業、意外と楽しいです。



6月15日  CLANNAD(ちょいとネタバレ)


現在進行中でございます。
攻略人数一人。
てーか、坂上 智代にしてやられました。
しばらく頭から離れそうにないです。
年下なのに姉さん女房満載(謎)。

なんというか、キャラ区分で言えば、クロチャンではないですが『武士っ子』?
むしろサムライそのものな女の子です。

義理堅く規律を重んじ、弱いものを助ける(除く春原)。
なによりも自分の言葉と目標を違えない……

んで、そんな子が弱さをポロリとさらけ出したら、こらもう転ぶしかないわけですよ。
叫ぶしかないわけですよ。
キスするしかないわけですよ。
押し倒すしかないわけですよ!(力説)
――あのCGがないことが大変に悔やまれます。

なんというか非常に男前なんですが、それ以上に女の子らしい女の子なんだなあ、と思います。



……えーと、あと、ファンの方には大変申し訳ないんですが、実は私はKEY作品ってあんまり好きじゃなかったんです。
AIRはもちろんのこと、KANONもどうも個人的なツボを外していたというか、この両作品に関しては良作なssの方がむしろ好きです。


ただ、CLANNADは、どこかONEを彷彿とさせるというか、まさに直球勝負というか、これぞまさに『恋愛シュミレーション』じゃいとでも言うようなパワーがありました。

こうした『逃げ』のない姿勢はとても好感が持てます。



6月14日  作ったものと作られたもの


小説や作品、被造物とその作者って、関係って不思議なものです。
もの凄い人格者が凄惨なものを製作するかもしれませんし、逆に大量殺人犯が清らかで無垢なものを作るかもしれません。

どこかで聞いた話なんですが、ある二人の仏像の製作者がいたそうです。一人はとても柔和で慈悲に溢れた菩薩様を主に作り、もう一人は憤怒の表情が鬼気迫る、仁王像を得意とした人たちです。
オチはもう読めてるかもしれませんが、実際の作者の性格と被造物とはまるで逆、菩薩を作った人は弟子を絶え間なく叱り付ける人柄、仁王像を作った人は非常に温和な人柄だったそうです。

周囲を叱り飛ばすことによって自身の心は平和に保たれ、あるいは、周囲を暖かく見守ることによって自分自身の心を切り裂いていた、と考えることもできますが、なかなかに面白いはなしだなあ、と思いました。

心の中で思うことと、周囲に与える影響は必ずしもイコールではない、ということなんでしょう。






――だから、平和の祈りやら自然破壊を憂いた文章を書いた女の子が、人を殺してしまってもなんら不思議は無いわけです。



6月13日  四季・冬(ネタバレオンリー。森博嗣作品を読んでない人は読まないほうが無難)



今回は風呂の中でずぅ〜っと読みつづけ、家族に怒られてしまった森博嗣さん作、『四季』の冬です。
『春』やら『夏』はあまりいい印象は無かったんですが、『秋』で犀川先生と西ノ園師弟の再登場で横っ面をはたかれ、この『冬』で驚愕しました。

――というかですね、S&Mシリーズにおける『怪物』。その一人称なんて何をどうしても陳腐なものにしかなれないはずなんです。
これは個人的な考えですが、『怪物』または『超越者』が自分自身のことを語りだしたら、それはもう終わりなんです。
なぜなら、そうした人物は『語り過ぎない』ことによってその絶対性を保っているからです。
この辺は羊たちの沈黙のレクター博士を思い出してもらえればいいと思います。彼が絶対者でいられたのは、誰からも『遠い』または『理解できない』と認識されている間だけです。
その底が見えれば、我々との共通項が見えてしまえば、『近く』、『理解できる』存在になってしまうのです。それはそれで別種のおもしろさが確かにあるのですが、最初のような『人間外』という印象は薄くなります。


……ところが、です。
この四季シリーズ、特に冬において、その内面をとうとうと語っているにも関わらず『なんじゃこりゃあ!?』『いや、頭では分かるけど、そんなのアリか!?』という考えが続出します。
おそらくキーワードは『認識論』。
『認識』が人並み外れて、想像がつかないような地点にいるからこそ、このような感慨が生まれるんでしょう。
『超越者』という幻想を越えてなお、この人は『遠い』と思ってしまう。これは本当に希有なことでしょう。

いや、もう、マジでお手上げです。





――えーと、この『冬』で名前と生い立ちだけ登場する、ミチル。
どこか別の話とかで出たりするんでしょうか?
いかにも森博嗣さんが好きそうなキャラクターなんですけど……
あ、ちなみに私は似非ファンなので、Vシリーズは途中までしか読んでないです。なので、もしかしたら既に登場という可能性…………は、ありえないんだっけ。なぜかVシリーズの根幹の謎だけは知っているnonokosuです。
逆にこのネタバレを知ったことで、Vシリーズを読んでみようか悩み始めてます。

そう、このミチル、非常に美味しいキャラです。
身体は女、中身は男! とか言うとどっかから訴えられそうですけど、
少女とミチルの関係や、一般家庭で育てられた天才の性格とか、その後、犯人を掴まえるかどうかとか、実母のことをどう思ってるんだろうかとか、色々と妄想できてしまうんです。

SS書きの悪い癖です。





PS

――あと、この『冬』の現在時刻って一体、いつなんでしょうかね?
有限と微小のパンから100年後かな、とは思うんですが、彼女の言った台詞――「人は最初に一番賢く、段々と愚かになる」――これを思い返すと、もしかしたら全ては子どもである彼女の夢である可能性もあるなあ、などと思ってしまいます。この『認識の天才』ならば、あるいは可能なのかもしれんのです……



6月12日  人名用漢字の追加について



うーん、うーん……
どうしたもんでしょうかね、これ。
『苺』とか『遙』とかが追加されたのは嬉しいんですが、『糞』やら『呪』って……

常用平易な漢字を選んだだけ、とか選んだ人たちは言ってるみたいですが、コレ、つける人間が絶対に出るでしょ。
脳みそないんですかね?
「決めるのは親だから」と責任を丸投げしてるのも不愉快です。

以前、『悪魔』という名前を申請する親がいたくらいだから、面白半分にこれらの漢字を使用する馬鹿親は必ず出るでしょうね。あの時もこの人名用漢字に乗っているかが争点になった気がします。

……いくら『親の責任』とは言っても、その被害を被るのはその子どもです。
少しばかりの想像力を働かせられないものなんでしょうか? 単に常用漢字を選ぶだけだったらコンピューターにまかせた方が早いのでは? 『人間』が選ぶ必然性、この場合あるんでしょうか?
恐らくは偉い人間が集まって決めた判断が、『万が一、名前に糞や呪がついても構わない』というものなら、ちょっと情けなさ過ぎる気がします。

幼稚園、小学校とこれらの漢字を使用した名前を呼ばれ続け、ヒネクレないでいられるのはかなり稀有な事態でしょう。
名前というのは、きっと、そんなに軽いものじゃないんです……






「どの字を使うかは、名付ける親の常識や責任に委ねられる問題だ」

――この言い訳も引っかかります。
繰り返しになりますが、それなら人間が人名用漢字を決定する必要はどこにもありません。親に全てを委ねるのなら、決める人たちに常識も責任も必要ないんですからね? コンピューターが使用頻度の高い単語を選ぶだけの方が『公平』で『平等』で『自由』に名前をつけらると思いますねえ。



6月11日  夕闇通り探検隊




今回はゲームの紹介です。
プレステで、かなり前に発売されたものなんですが……
マジでお勧めです。
これ以上に『魅力あるホラー』を、いまだに私は知りません。(最近、ゲームをやってないからかもしれませんが)

ごく普通の、気弱な男子中学生の『ナオ』。
勝気な現実主義、口癖が「死ね」の『サンゴ』。
脳みそは常にお空の彼方、霊感100%の『クルミ』。

彼らの行動がいちいち『リアル』です。
歩き方、走り方、立ち姿、喋るときの姿勢にまで、それぞれの個性があります。

物語の導入部分、隣クラスのクルミに告白しようとして出来ず、「犬の散歩、一緒にいきませんか?」と言ってしまうナオ。当然のように喜んで承諾するクルミ、待ち合わせ場所には当然のようにサンゴの姿が……
こんなベッタベタな展開の後に、夜の鳥塚にて『人面ガラス』なるものが現れ、「あと100日で、誰か死ぬ」と告げられることから物語はスタートします。
噂を集め、三人で真相究明したりするんですが……

これが本っ当〜に『リアル』なんです。
現実そのままです。
謎の解決も、『三人がこれで終わり』と結論を出したら終わりになります。
なので、最後までスッキリと解明されない場合がありますし、「なあんだ」と思ってしまうものもあります。
普通ならここで「なに手抜きしてるじゃあ!」と叫ぶところですが、この場合、それ以外の作りこみが半端じゃないので、逆に本物っぽさを演出してくれます。


また、先ほどから『リアル』だ『リアル』だ、と言ってますが。この話で、一番リアルな部分は、おそらくその『退屈さ加減』にあると思います。中学や小学生時代の「なんもすることがねえ、暇だ!」という空気が、非常にリアルの感じられるのです。

箱庭のような、丁寧に作りこまれた一つの町。
一筋縄ではいかない、『深さ』を持った登場人物たち。
日常と非日常の曖昧さ加減。
解決される謎も、都市伝説なだけなものからホンモノまで玉石混交。

ある意味で、強烈なまでにノスタルジーに訴える作品だと思います。





――あ、注意としては、このゲーム、非常に人を選ぶと思います。

まず、第一に操作性が鈍い。
慣れるまで結構な時間がかかります。
第二に、めちゃくちゃに難しい。
攻略本なしで初回クリアーは、まず無理です。
第三に、非常に時間を食う。
セーブが一日に一回なので、止め時が難しい上、1ターンにつき、そこそこに時間が必要です。
更には時間制限もあるので、歩いていても、話しても、相談しても、容赦なくゲーム内の時間が進みます。

分かりやすく言えば『簡易ガンパレードマーチの戦闘なし、ホラーバージョン』ってとこでしょうか。(逆に分かりにくいかも)


時間も暇も根気もある人は、是非一度、ためしてみることをお勧めします。



6月10日  マクドナルドとヘルシー路線


この二つほど、かけ離れたものってないような気がするんですが、どうもアメリカ・マックは本気のようです。
まず、サラダ、ミネラルウオーター、万歩計、エクササイズ用の冊子をセットにした『ゴーアクティブ!』なるものを初め、ついには
ドナルドがエクササイズのビデオに出ます。


…………ああ、やってしまったなあ。
こんな感慨を持ったのは私だけでしょうか?
こうしたビデオはどれだけ出来が良くても、『なんだかなぁ』という気分を払拭することは難しいでしょうね。
まあ、ケン○ッキーおじさんが出演するよりかは、説得力があるでしょうけど……


――えー、ちなみに、これら一連のキャンペーンは裁判対策くさいです。
なにせ国民の60パーセントは肥満だというお国柄。
チーズバーガー法案――肥満を理由に外食産業を訴えることを禁じる法律――が下院で可決されたとはいえ、実際、去年には「子どもの肥満はファーストフードが原因なんじゃあぁ!」と訴えられましたし、この後、上院でどうなるかもまだ不明な部分があるみたいです。

常識外の損害賠償が飛び交うアメリカ。
コーヒーが熱かっただけでトンデモナイ請求額が発生する国。
「俺が太ったのはファーストフードのせいなんだぁ!!」と訴えれば、もしかしたら、まかり通ってしまう世界。
巨額の裁判対策をしても、そっちの方が安上がりになってしまう風土。



うーん、我田引水ここに極めり、日本の自己責任論が可愛く思えてしかたないですね。



6月9日  今更ながら『千と千尋の神隠し』


今更ながらの千と千尋です。
以前に見たことは見たんですが、ネタがないのでなんとなく批評です……。
なのでローテンションでだらだら書きます。


海外ではこの題名、色々と変えられているみたいですね。
アメリカでは『Spirited Away』――まんま『神隠し』とかそんな意味です。
中国では『神隠少女』。韓国では『千と千尋の行方不明』など、少しばかり面白い感じになっているようです。


さて、この千と千尋、チラッとネットで評判を検索してみたら、評価が真っ二つに分かれてました。
私は素直に面白いと思ったので、なんでだろうかと見てみると「説明不足」「成長物語としてパラレルワールドの意義が薄い」「オリジナリティがない」「主題がない」「何で最後の部分を使いまわす!?」などなど。
読んでみて「なるほど、確かに」と思う部分がたくさんありました。
詰め込まれすぎ、というのは、宮崎映画のほとんどに当てはまるとは思うのですが、それでもここでは『千尋の視点』がほとんどのために、内情、裏側、その他がまるで分かりませんしね。


ただ、私はそれでもこの映画は面白かったと思うのです。


……えー、というかですね、私はこれをDVDでしか見てなかったりします。映画にはとてもじゃないけど行く気がしなかったんです。
なぜなら、CMを見ていて「どういう映画かさっぱり分からん」と判断したからでした。
映画などのCMや予告編を見て、その先のストーリーを予測する、というのを私は結構やります。それをこの千と千尋でもやってんですが……、何をどうしても私の脳みそではツマラナイものにしかならなかったんです。
「竜に女の子が乗ってる? どういう状態でこうなったんだ? しかも、コレって多分クライマックスかそれに準じるものっぽい。この程度のものがクライマックスなら大したことないなぁ」ってなものです。

なので、数年後、暇つぶしとして見たこの千と千尋が予想以上の面白さだった時に、素直に「参った!」と降参したのでした。

こういった『最初、最低評価、その後、最高評価』という流れなものに対して、私の基準は極端に甘くなります。
自分の予想の斜め上を行かれては、もう降参するしかないわけです。
想像力のなさを悔やむ以外にないわけで。

それ以外にも、『細かい部分がやたらとリアルに描写されてる』といこともあります。ここら辺はタピュタ以降、おなじみな部分なんですが、今回はそれが鼻につかないというか、より自然になった気がします。



んー、まあ、色々と書きましたが、結局は二者択一だと思います。すなわち『この映像世界を好きになれるかなれないか』。ただコレだけの話なんだろうなあ、と思います。



6月6日  怒る、勇気を持て。



いまだに気になっている一言です。
情報の元は、たしか『癒し』をテーマにした、かなり前のテレビ番組からでした。
その番組の趣旨は、『癒すことは癒される事でもある』というもので、正直、あまり感心はしなかったのですが、この言葉だけは強烈に印象に残っています。
どうしてかは分からなかったのですが、かなりショックな言葉でした。


もともと『怒る』という作業は、自分よりも弱い人間に対して行われるような気がします。
何か不満があったとしても、自分よりも強い者、力のある者に反抗するようなことは滅多にありません。
自分よりも下の者、力の無い者に怒りの矛先が行く事がほとんどだと思います。
私自身の経験を思い返しても、『安全だ』と心のどこかで確信した瞬間に、怒りは吹き上がります。
非常に身勝手な、エゴイズムの権化のような感情、それが『怒り』というものなのでしょう。
もっと単純化して言えば、ストレス発散のような側面すらあるかもしれません。
自分の中の不平・不満を弱いものにぶつけるシステムです。
こうした『怒り』に勇気が必要なんて事態、ほとんど無いはずです。


……そう考えると、日本全体に満ちている『怒るべきではない』という空気にも、納得できる部分は多少あります。
かなりの私見ですけど、怒り、何かを主張する人間は『程度の低い人間だ』とする部分が、我々のどこかにあるのではないでしょうか?
戦争反対のプラカードを掲げてる人、声高に何かを訴える人を、きちんと理解しようと思う事は滅多にありません。
社会や政府に反抗するということは、ただの愚か者の証明であると、認識しているような気さえします。


怒るために必要な勇気。
つまりは、感情ではなく、理性によって『許しがたい』と憤る心。
弱いものを追い詰める為ではなく、真に害悪だと思うものに抗戦する心構え。
なによりも、自分自身の弱さを見つめる姿勢。
そういった意味の言葉なんじゃないかと、今の私は考えてます。








――――以上、拉致被害者、イラク人質の問題を見ながら思ったことでした。




6月5日  年金法案について



参議院で昨日、今日と続いてた年金法案の採決ですが……
これ、茶番もいいところですね。
自民党の「どうせ俺たちが勝つんだしぃ〜」という態度もそうですが、野党の「勝てないならせめて引き伸ばし!」という態度も、どうかなって気がします。

牛歩、引き伸ばし、長い演説などなど。
やってる人は大変なのだろうし、それはそれである種の主張なのだと思いますが……

――この姿を見て、「野党に入れるの止めようかなあ」と思ったのは俺だけですか?
もうちょっとマシな戦い方は無かったのでしょうか。

まあ、過半数を自民連合に持っていかれているので、仕方が無いのかもしれませんけど。私なんかは「無駄な抵抗をするより先に、完璧な年金案を提出して広く世間に知らせればいいじゃないか、法律的にどうにかできる部分は本当にないのか? 少なくとも牛歩してるよりも効率的なことは幾らでもあるんじゃないのか?」って思います。

……野党の年金案に関しては、私が知らないだけかもしれませんけど、それでも、『ただの無駄な抵抗』に血道を上げてる野党を見ると、なんだか悲しくなってきます。



……しかし、こうして考えてみると。日本で『民主主義』って、行われたこと、あったんでしょうかね。ほとんど全ての時期が自民党の一党独裁。どんな理不尽な法律でも通ってしまう。論議なんて形だけ。問題は『自民党内の調整をどれだけ上手くするか』。

どう考えても破綻するっぽい年金制度が通るのを見てると、「日本って、ひょっとして江戸時代と実質的には変わってない?」という気分にさえなります。

外にはあまり目を向けずに内部の権力争いばかり、問題が起きたら殿様も大臣おろおろするだけ。みたいな雰囲気が、いまでもあるような気がしてなりません。


――まあ、かといって自民連合が過半数を割っても、それはそれで問題が起こるとは思いますけど……

民主党が一党独裁とかしたら、やることなすこと国民の人気取りだけで、結局は潰れる予感がかなりします。



6月4日  ハダカデバネズミ



外見・・・・・・目は退化し、毛は一本も生えていない。顔の前面に上下に二本歯が生えてる。

要するに、目が無い、裸のネズミ。


生態・・・・・・地下に住み、蜂にとてもよく似た生態を成している。ハダカジョウオウネズミを中心に80〜200匹程度の働き役がいる。


漢字で書くと、裸出歯鼠、となるのか?


――想像してみましょう。
ツルツルでピンクなネズミが、100匹単位でうじゃうじゃと、地下で戯れる様子を――

メチャクチャ気持ち悪い、と思った方。
私の同志です。

ハムスターとかだと、可愛く思えるのに。
『毛が無い』『目が無い』というオプションが加わると、なぜ、ここまで気味が悪くなるんでしょうかね?

のっぺらぼうとかもそうですが、『目が無い』というのは、感情をまるで推測できないという所からつながると思うんですが。『毛が無い』というのは……

やっぱり、『毛があってこそのハムスター』っていうことなんですかね。


うぅ、やはり、私は苦手です。




6月2日  オーデュボンの祈り



昨日、日付的には今日読んだばかりのほやほやです。
これは私のように捻くれた人間にピッタリの、とてつもなく『リアルにヘン』な小説です。

ジャンル的には推理系になる、のかな?
いまいち釈然としないものがあります。
なぜなら、舞台設定からしてヘンなんです。
萩島という『江戸時代に日本が鎖国を解くのと同時に、鎖国を始めた』島。外部から完全に閉ざされた土地。誰も知らない、それこそ150年近くもの間、閉ざされていた島が舞台です。
そこで登場するヘンで魅力的な人物――殺人を許可された詩人、反対のことしか喋らない画家、太りすぎて身動きのとれない看板娘、そして、なによりも過去・未来を見通せるカカシ――が登場します。

ここで列挙してみて、一番ヘンなのはカカシの優午です。そして、これは人間がカカシのフリをしているわけではなく、本気でカカシです。
カカシなのに喋るし、過去を見通すし、未来を予知します。
冒頭に書いた『リアルのヘン』という言葉にも偽りなく、このカカシが何故喋るのか、理由も明記されていたりします。
――もっとも、読んで「うん、それはありそうだね」という人はまずいないと思いますが――

この優午が喋ることや予知の論拠は『カオス理論』です。上手く説明は出来ませんが、要するに「未来はごく簡単なことで変わる」「すべてが関連し、大きな結果を生む」ということなんでしょう。
単純なものの組み合わせが、思考を生み、未来へと繋がるのです。



――――この話で提示される謎は二つ。
ひとつは、その『未来を見通せるカカシがなぜ殺されたのか?』
もうひとつが『萩島に欠けているものは何か?』

この謎の魅力さに加えて、途中で挿入される、祖母の独白や、外の現実世界の出来事もリンクして、非常に興味深い内容となってます。





6月1日  165万円の「のどあめ」


えーと、以前、55万円の「のどあめ」で紹介したんですが、どうもあれ、ちょっと間違えてたみたいです。
正確には、『開始価格が』55万円だったそうです。

――
アホです、コレ。

いくらシュワちゃんのものだからって、そこまでして欲しいものなのか!?
ちょっと、みんな冷静になろうよと言いたい。

もっと、マシな金の使い方がいくらでもあるはずです。
そんな風に金使うんだったら、人を雇って、シュワちゃんが捨てるものをコレクターした方が安上がりなんじゃないか? 間違いなく。
一月もあれば、旅行代を含めても、もっと色々なものが手に入ると思うんだけどなあ。


……コレクター心理というものが、私にはよく分からないんですが、こう、『人に見せて楽しむ場合』と『自分だけでこっそりと楽しむ場合』とがあると思います。
そのどちらでも、これは楽しめないと思うんですが……

例えば、誰か知人が尋ねてきて「おう、見ろよコレ、シュワちゃんの舐めたのどあめだぜ!」「……ふーん」
これだけで、会話が終わること必然です。
逆に、一人で「おお……これこそシュワちゃんが舐めたのどあめ……!!」などとしてるのも、ちょっと引くものがあります。

というか、どう使うんだ? 見るだけ? 嗅ぐのか? それともひょっとして『追体験』!?(謎)

どちらにしろ、私には未知の領域と値段です。






――お宝鑑定団で、この「のどあめ」出たら、やっぱり、こうなるのかな?

いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん。

『165万円』!!
「えー、間違いなく、本物のシュワちゃんののどあめです。DNA鑑定書もあります――」

……いままでの参加者が、暴動を起しそうです。