9月29日 アイスウィンドサーガ



祝・復刊!!


うーん、感無量というか何と言うか、なかなかに感慨深いものがあります。
えー、知っている人は知っていることでしょうが、このアイスウィンドサーガ、かなーり昔に発売されたことがありました。
その時の印象がかなり強烈で、たまに古本屋に行くと「ないかな〜」と探したりもするんですが、あまり見かけた事はありませんでした。(あっても欲しい巻の
次からとかいう無念なことが……)

実は私が持っているのは旧アイスウィンドサーガの1〜3巻だけなのですが、ただそれだけの巻数の中でも中身がぎっしりと詰まり、キャラの魅力の溢れた本です。
なにせ、登場人物のうちの一人、主人公が
ダークエルフなんですよ?
呪いをかけられて、とか。ダークエルフとライトエルフとの禁断の愛の末、とか。ハーフエルフなんだけど片一方が黒人で、とか、そういった曖昧かつ逃げてる設定ではなく、純潔生粋の、生まれも育ちもずうっとダークエルフが主人公、というすさまじい設定。

しかも、そうであるにも関わらず、完璧なまでに主人公としての性質を備え――紳士であり高潔、困っている人がいればそっと手助けをし、見返りを求めず、克己心に溢れ、シミター二刀流の達人――
また同時にダークエルフ的な部分も併せ持っています――だまし討ち上等、卑怯なまでに策士、敵に対しては無慈悲に振舞い、いつでも冷静沈着――
――うーん、つまり、『ロビンフットがダークエルフだったらどうなるか』と想像してもらえれば、一番近いかもしれません。もしくはスイフリーを白黒反転させた感じでしょうか。(知ってる人だけ知ってるネタ)

なんの予備知識もなく、こんなキャラクターをぶつけられたら、それはもう降参する以外になかったです。
ドワーフと人間とダークエルフとが、『人間の村を守るために』戦うんですよ?
ダークエルフは、その人間の村人から迫害されてるにも関わらずです。

ある種、デビルマンとか仮面ライダーとかにも繋がる、『日本人の琴線にヒットする』ヒーロー像だと思います。
どうしてだか、『元は敵だった、味方からも追われてしまう主人公』っていうのは心に響くものがあります。



――あー、ただ。
そう、残念ながらただ、本自体はあまり自信を持ってお勧めは出来ないかもしれません。
微妙に訳がヘンなんですよね、旧作も1巻目が微妙で2巻目以降はしっくりと来てた感じだったのですが、改正版の第1巻は更にヘンになったような気がします。
なにか妙にひらがなを多様してますし、一人称もちょっと違ってたような記憶が……

新旧ともに同じ人が訳をしてるみたいなんですが、ハリポタみたいに子ども向けを狙ってるんでしょうか? 私は個人的には旧版の方が良かった気がします。

まあ、ハマった巻が、そして面白くなるのが二巻以降なので、それを見てからでないと適正な判断は出来ないとは思うんですが……





9月28日  四国リーグ!



熱い。
いま野球が熱いですな。
私は、別段、どこのファンでもなく、また野球自体にもほとんど興味のない人間ですが、それでも昨今の動きには注目せざるを得ませんでした。

イチロー選手の最多安打記録をはじめ、古田選手をはじめとする選手会側の意地のスト突入。ライブドア、楽天の新規参入など、阪神が優勝した時とはまた違った、熱気ある展開を見せてます。

――いや、まあ、ほとんどが野球の試合そのものとは関係ないんですけどね。
ですが、ここまでやってくれる『漢』がやるスポーツなら、見てみたいかな、とは思い始めてます。

スポーツはだいたい何でもそうなんでしょうが、その競技そのものじゃなくて『やる人間が魅力的だから』、お金を出してでも見に行きたいものだと思っています。
顔も名前も分からないまま『○○vs△△』なんてチーム名だけの試合を見ても、やっぱりそれは詰まらないものにしかならないことでしょう。
イチロー選手が打つからこそ、古田選手が捕るからこそ、面白くなるんです。
企業同士の戦いなんかからはドラマは生まれない。そう思います。

新規参入の件に関しても、うーん、二社ともなんだかなあ、という気がしてるんですが、野球業界を新しくしてくれるという期待は持てます。その人の人間性とやってくれる行動、もしくは経営能力というのは完全に別個のものですし、少なくとも赤字体質を放っておいてる人たちよりは希望が持てます。
――どうも経営者側から不健全な体質の匂いがプンプンするんですよね、『昔からそうだった』ってだけの理由で放ってあるというか、野球を楽しむわけでもビジネスとして見てるわけでもなく、ただ惰性で動いてるだけだった気がかなりします。


そして、この四国リーグですよ。
社会人野球やアマとしてではなく、完全に別個な『プロ野球』のリーグとしてスタートするっていうんですから、スゴイです。
正直、何を考えているんだと思わなくもないですが、その熱意だけは伝わってきます。
年間十億単位で赤字を出すプロ野球、その現状を見た上で新規参入ではなく
新規にリーグを設立するんですから発想がぶっ飛んでいます。

良く見てみると、地元と完全に密着した『オラが県のチーム』としてつくり、スポンサー名なども入れない模様。
つまり企業=チームという形ではなく、県=チームという、愛郷心バリバリなチーム作りをするみたいです。

私は四国地方について、特にそこに住む人たちのことについてはよく知りませんが、これは自分の土地に誇りを持っている人が多ければ多いほど、『自分の県が四国の中で一番だ!』と考えてる人が多いほど、きっと成功するんでしょうね。
他県の人はあまり楽しめなさそう、という気はしますが、地元の人に受け入れられればかなり長期にわたって成功しそうな予感はします。
チームごとにその県の特色とかも出てくると、更に面白くなってくることでしょう。
数年で潰れたりしないことを切に祈ります。






――えーと、ただ。
この記事を最初に読んで、私が最初に思ったのが、『おお! 四国ついに日本から独立か!? やるなあ!』だってことは内緒です。

――どっかでそんな小説を読んだんですよぅ……






9月27日  ダ・ヴィンチ・コード(ごく微妙にネタバレ)



はっはっは、いや、本気で一ヶ月近くぶりですね。
言い訳はしません。
ゴメンなさい。

まあ、いろいろと理由はあるんですが、それをしても結局のところ言い訳にしかなりません。
なので申し訳ないですが本の紹介に移ります。

ダ・ヴィンチ・コード。
全世界で売れまくったという噂の『ウンチク本』です。
いや、実際、面白いです。
よく海外の作品にありがちな『明らかに日本語らしくない日本語』とかで書かれてませんし、とても読みやすかったです。
私は海外作品は『ヘンな日本語』を使われてるせいで敬遠しがちなんですが、これを機に考えを改めようかと思ったくらいです。
いくら内容が面白くても、読んでいて違和感を覚えるような言葉は、やっぱり不快だったんですよね。


それに、この本自体も良く出来ています。
導入からして非常に興味深いです。

最初に、ルーブル美術館で殺人事件が起きます、その時、殺人者の言葉から被害者の老人は『ある秘密を知っている人間』が、もうすでに自分ひとりであることを知ります。
死ぬまでの数十分の時間、老人はなんとかその秘密を孫娘と主人公に残そうとして足掻きます。そして、それは見るからに奇妙な、首を傾げざるを得ないダイイングメッセージとなり――――
――ってな導入から始まり、あれよあれよというまに結論までもって行かせる手法は感嘆します。
ベストセラーとなるだけのことはあります。


ええと、また――――『面白い論文を書く極意』みたいなものを、私はある本の中で以前に見かけたことがあります、本書では、その手法を連想しました。

『まずは湖を思い浮かべる、こちら岸が出発点で向こう岸が結論。その間に幾つかの石を置いておく、この石が引用する文章や参考文献。あまり単調にならないように短い距離にしたり長くしたり、強弱をつける。そして、長いスカートを履き、向こう岸まで石を伝ってジャンプするんだ』
といったことです。
ここで一番重要なのが『ただし、下着はつけないこと』だそうです。ジャンプする際に、湖に映るか映らないか微妙な『それ』が読者をひきつけてやまず、前のめりにさせる作用がある、らしいです。
モロに見せるよりも、チラリズムの方が効果的ってことなんでしょう。

本書では、そのチラリズムに相当するのが『謎』がふんだんに取り入れられてます。
『向こう岸』に相当する大きな結論としての謎が提示されてるのですが、その結論に行き着くまでにいくつもの『魅力的な謎』が溢れてるんです。
またそれが効果的に使われ、読むのを止めさせなさせています。
「この続きはどうなってるんだあ!」と叫びたくなるような、非常に上手いところで章の区切りをつけてるんです。



――――あー、ただし、本書の真偽については眉に唾をつけておきましょう。
素人の私でさえ、「それはどうだろう?」と首を傾げるものが幾つかありました。
おそらく、本書ので述べられた仮説を事実であるかのように認識すると、えらい恥をかきます。
引用されている出来事のなかでも『もうそれは嘘と分かってる』ものもあるみたいですし――――


まあ、とにもかくにも面白いことは確かです。
魅力的なストーリーと膨大なウンチクに興味があるのなら、是非読んでみてください。




8月30日 究極超人あ〜る


初のマンガレヴューです。

というか今、ものすっっっごく読みたいんですが、手元にないのでその七転八倒を伝えたいと思います。

えーと、知ってる人は知ってるでしょうが、パトレイバーで有名な、ゆうきまさみ先生のデビュー作です。
認知度は低いものの、一部で熱狂的な人気がいまでもある、らしいです。


内容としては、う〜ん、そうですね、”80年代を舞台に、ギャグと小ネタを大量に仕込んだ『ヨコハマ買出し紀行』”、でしょうか? ちょっとどころか相当に違う気もしますが、

とにかく目立った事件とか、命を賭けた死闘とか、ストーリーの起伏とかが
ありません
読んでいても『うん、ちょっと面白い』と思った箇所は多いですが、『最高だぜ!!』と叫んぶような箇所は少なかったように思えます。
淡々と面白く、それでいて『少しヘンな学園生活』が進んでゆきます。
間違いなく、頭を空っぽにして読めるマンガです。



――ただ、ですね。
このマンガの恐ろしいところは、明らかな『中毒性』があることです。

読み終わり、『うんうん、暇つぶしにはなった』と思って数日後、何故だか再び読み返したくなります。
理由も原因も不明。
これよりも面白いマンガはいくらでもある筈なのに、ああやらなきゃいけないこともあるのに、とか考えつつ、無闇矢鱈と読みたくなるんです。

そして、今、ものごっつい読みたいんです。
まさに麻薬中毒患者。
近くのマンガ喫茶にあったかなあ。
ああ何で、どうして古本屋に売ったんだ過去の自分! って感じです。

思うに、この作者が『明らかに間違ってる方向に全力投球してる』からなんでしょう。
普通の野球投手が『いかに打者をアウトにするか』と考えている最中、『いかにすごい牽制球を投げるか』と考えてるかのようなもんです。


他に類を見ないようなノリで突き進んで行くのは、間違いなくこの作者様の個性なのでしょう。



8月27日  当たりくじが当たり人に!



す、すげえ……
とりあえず
コチラをご覧ください。

まあ、要はドイツで宝くじ
12億円当てたのに、それを全額寄付したって話です。

……12億、ですよ?
千万単位でも上手く想像できない金額なのに、更にその上の桁。
個人が手にするためには努力だけじゃどうにもならない世界です。
日本の豪雨被害の時の、2億円寄付の話を思い出させましたがこちらもスゴイ。

当たりくじという『とんでもなく貴重な幸運』を手にする人が、これまた『それを全額寄付するくらい善意の人』に当たる確率ってどれくらいなんでしょうか。
当選以上に天文学的な数字な気がします。

一旦、自分の物になった『12億円』を、そのままスルーパスするなんてあり得ないですよ、ホント。
MFだろうがDFだろうが審判であろうが、全員がゴールキーパーと化し、手も足も使用して掴み取るのが普通でしょう。
文字通り、値千金のスルーパスですな。



――――うーん、しかし、これはアレなんですかね。一定以上の金銭を扱う人は「最初はオドオドしてたけど、慣れてくれば、もう扱っているのがお金という感覚はなくなってしまう」らしいです。
それはもう『お金』ではなく、ただの『処理すべき対象』になるそうです。

同じようにこの当選者も『12億円の当たりくじ』を『処理すべきもの』だとみなし、『自分には関係ない』と――――

――――いや、ゴメンなさい。やっぱ無理。
私なら絶対に独り占めします。間違いなく。
人類の99パーセント以上もきっとそうでしょう。
目の前に億単位の当たりくじを差し出され、「さあ、これは君のものだ、でも、できれば全額寄付して欲しい」と仮に言われたとして、そうする人って果たしてどれだけいることでしょう。

記録更新の、入手すればかなりの金額になるであろうホームランボールに、群集がわんさんと押し合ってるのとかを見ていると、ほぼ絶無なんじゃないかとさえ思えます。

私も『それ』を手にしたとしたら、わき目も振らずに明日に向かって駆け出すことでしょう。
雄叫びとかも絶対上げます。
寄付? nonokosuの脳シナプスにはそんな単語は登録されておりません、番号をよく確かめの上、もう一度おかけ直しください、ってな塩梅です。
人格とかも多少は歪みそうな予感がします。



――金の魔力ってのは、やっぱり怖いんでしょうな……



8月25日  カメラで覗き見


最近、パソコンに接続されたウェブカメラを使って覗き見・盗み聞きできる『ウィルス』が発見されたらしいですね。
えーと、このウィルスに感染すると、クラッカーが、かなり簡単に他人のウェブカメラをリモートコントロールできるって寸法みたいです。

これは家庭の覗き見はもちろん、産業スパイ用としても使えるとのこと。
怖い話ですな。

ハイテクっぽくウェブカメラを使ってテレビ会議をしてたら、それが外部に全て筒抜け、なんていう事態もあり得るんでしょう。
『ハイテクが進みすぎると、逆にローテクがもてはやされる様になる』とか、どっかのSF小説で読んだ気もしますが、それが本当になる時代が来つつあるみたいです。

その内、『一番確実な通信手段は伝書鳩だ!』とか言い出す人とか出てくるかも。
インターネットを通じての送受信は、だんだんとその信頼性・機密性が薄れていってる気がします。


――以前アメリカで、通信中にウェブカメラで
二人組みが盗みを働いているところを発見、警察に通報しそのまま逮捕ってな話があり、その時には『文明の利器って素晴らしいなあ』とか思っていたんですが、素直に喜んでばかりもいられない模様。


――あー、そういえば、ごくたまに行くインターネット喫茶とかにも、このカメラが確か付いてました。
考えすぎだとは思いますし、そんなことは無いとは思うのですが、今度からはこのカメラの向きを変えてからインターネットするかも。
可能性だけであっても『このカメラを通して誰かが見てるかも』と思うのは嫌なもんです。
こんなストーカーが諸手を上げて喜ぶようなウィルスがあるのなら、気楽にウェブカメラの前に立てないですな。



いやはや、便利なものが誕生すると必ず犯罪が付随する、この公式はいつの時代でも変わらないんでしょうね。



8月23日  今週のデスノート(ネタバレあります)




うっわ、すごいですね、これは。
予想以上というか、事前に想像すらできないストーリー展開。
『こうなるだろう』と読みきった人っているんですかね。

まさか、マジでデスノートを捨てるなんて暴挙にでるなんて思いもしませんでしたよ。


あー、でも、この行動は、キラ=ライトだということをLに認めさせた上で、『キラ』という存在――人を自由に殺せる存在――が、色々な人間に『憑り付く』ことができる、最低でも『殺人能力とその時の記憶が移動することがあり得る』。そうLに推理させるってことなんでしょうか?

それ以外に『犯罪者が殺されるのがピタリと止まった』ことや、そもそも『デスノートを捨てたこと』の理由がつかない気がします。
疑いを軽減するってだけであれば、『拘束期間中、レムを使ってライトが知らない筈の犯罪者を殺す』だけで済みます。夜神月が拘束と同時に犯罪者の虐殺が止まるなんて、半ば以上、『ライト=キラ』を自ら認めての行動ですからね。
その上での策なんて、他にあまり無いような気が――――


――――ただ、問題は、どうやってライトがデスノートを再入手するかでしょう。
仮にも『俺は神になるんだ』とか考えてる人間が、これで諦めるとは思えません。
絶対に復帰するはずです。

――まあ、第三者がデスノートを入手し、そこから始まるキラVS『ライト&L』ってのも見てみたい気はしますが。――
頭脳的には圧倒的に後者、けれどノートという遠隔卑怯アイテムがある以上、意外といい勝負になりそうな予感。

再復復帰の方法としては『レムにデスノートを釈放後に渡すよう、事前に言っておいた』ことぐらいですしょうか。
それ以外の方法、例えば、デスノートを隠していた二重底に『隠し場所を書いた紙』を置いておくとかは、捜査陣にガサ入れされたらアウトですし、たとえ発見されなくても、その紙が燃えてしまえば復帰は不可能になってしまいます。


――――うーん、来週が楽しみです。



8月20日 ひぐらしのなく頃に



を、やりました。
同人のゲームです。
サイトは
こちら。体験版をやりたい方はどうぞ。
マジで面白いです!!

久々に『これは当たりだ!』と思えるゲームでした。
体験版とは思えないくらい分量もありますし、中途半端で終わらず一応の『決着』が付くところまで進めます。(もちろん、真相は判明しないまま終わるんですが)

マルチエンドの中の、バットエンドルートにだけ行ける、って感じですかね。
とにかく長い長い。
これだけでも、短めのギャルゲーぐらいはあるんじゃないでしょうか?
しかも、恐ろしいことにゲームが終わった後に行ける座談会で『これは全体のプロローグのようなもの』と言っています。
これ、ひょっとして、トータルで考えると月姫並みに長くなるってことなんですかね。
恐ろしい。



えーと、内容としては『一応、ホラー』になるんでしょうかね。
ネタバレになるのであまり言えませんが、様々な要素が絡まっているので、断言することが難しいです。

最初は確実に、『田舎を舞台にしたギャルゲー』なんですが、物語が進むにつれて、だんだんと方向性がずれて行きます。
それも
まったく思っても見なかった方向に


――いわゆる、ホラーというと、『化け物が突然でてきて人を驚かす』とかの系統になりがちですが、そんな生易しいものじゃないんです。

妖怪やら幽霊が直接出てくるのは、ホラーとしては常套手段ですが、その分、『これは現実じゃないから自分に関係ないんだな』と、冷めた目を人に持たせます。
夢から覚めるというか、一歩引いた目線になるわけです。

そう、おそらく、ホラーの醍醐味というのは『自分も体験してしまうかも』という点にあるんです。



本作は、最初に『楽しい田舎の学園生活』を満喫させてくれますので、主人公になりきって『そこに住んでいる疑似体験』ができます。
そして、そこからの落差がとんでもないんです。

野球で言えばフォークどころじゃないですね、『魔球』の域に達する落差です。

正直、私は怖いというよりも、ひたすらに面白い! と思ったので、怖さは保証しませんが、面白さは保証できます。
物語を節目ごとに区切るストーリー構成なので読んでいて飽きませんし、作品内での『部活動としてのゲーム勝負』が熱いです。






――――あ、でも絵柄だけは保証しません。
サイトを見れば分かるでしょうが、とんでもなく癖がありますし、正直、上手いとは言えません。
まるまっちい絵柄は好き嫌いが分かれるかも。

まあ、ですが、月姫と同じく、パッと見は違和感あるものの、プレイしてゆく内に気にならなくなり、最後の方では『この絵柄でなくちゃ!』と思うようになります、きっと。

ゾクっとしたストーリーを読みたいのであれば、是非是非。




8月19日  エイリアンVSプレデター


これ、映画の題名です。
現在、アメリカで公開中、8月13日から15日の間までで42億円以上を売り上げ全米一位だそうです。

あー、これ
マジなんですかね?

この対決はゲームとしては発表されてたみたいですが、だからといって映画化するか?
本気でネタとしか思えないです。

Kyoko Shimbun Newsというサイトで『マクドナル丼』とかいうネタニュースに引っかかって以来、どうもこの手の嘘とホントの境界にある情報には疑い深くなりがちです。

ある意味『夢の対決』ですし、プレデター2には明らかにエイリアンらしき『勝利品の骨』もありましたけどねえ。
ジェイソンVSフレディとかいう映画もありましたけどねえ。

だからって、本気で作りますかね、普通。

――――ひょっとしてハリウッド、もはやこの方向に走りざるを得なくなってきたんでしょうか?
本家の製作者側が二次創作に走り出したら、それはもう終わりというか衰退期に入ってる証明だと思うんですけど。
インパクトのある打ち上げ花火のようなもので、こういった路線はすぐに絶滅するのが通例です。

きっと、『売れてるからといって面白いとは限らない』見本みたいな映画ですね。これは。


――――ところで、ふと思うのは、これ、一体どっちが勝つんでしょう?
版権とかそこら辺を考えればドローで終わるんでしょうが、ホンマのところはどっちでしょうねえ。←ss書きの悪い癖
武装・攻撃力で考えれば明らかにプレデター。
意外性・増殖力で考えればエイリアン。といったところでしょうか。

真正面から対決すれば、勝つのはどう考えてもプレデターでしょう。人間の武器でさえ退治できるほどですから、それより上の武器をもってる彼らが負ける道理はありません。

ただ、映画でもそうでしたがエイリアンの本領は『どっから攻撃してくるか分からない』という点。三次元的な奇襲攻撃ならエイリアンに軍配があがりそう。
しかも、異種交配、もしくは卵を産み付けるという特性を持っているので、一気に増殖する可能性もある……


――あかん、ちょっと面白いと思いはじめてきた。


えーと、日本では秋公開予定、副題は『どちらが勝っても人類には未来はない』だそうです。
まったくもってその通り。



8月16日  夏風邪


あー、また長いこと日記を放ってしまった。反省。
原因の一端は、この夏風邪にもあります。
頭が痛くて朦朧として、なーんにもやる気が起きませんでした。
タイピングするのさえ、かなり久しぶりかも。

風邪を引いた原因としては、十中八九、というか確実にクーラーのせいでしょう。
夜はガンガンにつけてます。

体に悪いということは聞いてるものの、これ無しではもはや眠れない体質です。
文明の利器万歳。
しかも、冬のように寒くしないと、クーラーを使ってる感じがしないので、設定温度は極低音まで下げます。

これにより、私は大抵は朝方、
寒さで震え起きることになります。
なにをやっているんだと、自分で思わないでもない。
まあ、これなら風邪も引く。
空気も乾燥させてるので、口内もカラカラになりますし。空気も悪くなりますし。外と中の温度差が激しすぎますし。




――――とは言っても、ここ最近の気候で『クーラー無し』なんてことをしても、人体に致命的な打撃を受ける気もします。

台所に置きっぱなしにしてあったナスビが、2・3日くらい放置するだけで『アメーバ』になる世界ですから。
大根は切った断面が『うわ、理科の細菌の増殖実験?』とでもいうような有様。
トマトはトマトの匂いが最早しない。
味噌汁はふと気がつくと『あれ? こんな色のはずはなかったよね? なんでお前は白いんだ?』という感じ。

まあ、なんだ、つまりは微生物やら小生物が喜ぶような環境で、体を横にしても良い事はないよなあ、ということです。
だから、クーラーで室内を低い気温に保つのは理にかなった行動――




――――とか、思っていたんですが、私の理念は
クーラーの中身を覗いたことで、木っ端微塵に砕かれました。
皆さん、知ってますか? クーラー内の様子。
ヤバイですよ、アレは。

細菌天国です、間違いなく。

私は潔癖症な人間の気持ちなんて、1ミクロンも分からないような人ですが、あの瞬間だけは激しく同調しました。

すなわち、
触れるのも嫌だ!
見るのも勘弁
俺が悪かった!

小さいお子さんが見たらトラウマ確実な有様でしたよ。
私の風邪ウィルスの原因は、ここから飛んできてたのかと、深く納得しました。

それ以来、流石にクーラーをつけるのに躊躇してます。
出来るだけナチュラルな風で眠るようにしてます。
クーラーが、細菌放出機に見えるんですよ。


――――皆さん、健康のために一度はクーラーを点検することを進めます。
――――ある意味、パラダイスが覗けます。




8月8日 写真は良い


むう、最近、1日おきの更新になりつつありますね。
ただでさえSSの方が滞り気味なのに、こっちまで放置してどうするんだって話ですな。

それはともかくとして、今日は写真の話。

――いや、いいです。コレ。

自分の中の、ハマリ項目に追加されるんじゃないかと思ってしまうくらい良いです。

最近、購入したのは、いわゆる『野生の動物写真』なんですが、なんていうか、もう『スゴイ』んです。
凄まじいというか、新たな概念を見せ付けられるというか。

むう、自分の言語能力の無さに腹が立つ。


えーと、普段、日本に暮らしていて、知らず知らずのうちに『閉じてしまった感覚』。そこを刺激されるというか、ちょっとばかり開放してくれる感じでしょうか。
実に当たり前のことなんですが、『地球上にいるのは人間だけじゃないんだ』という、ごく簡単な現実を再確認できます。

本当に当たり前なんですが、これが意外と難しいことである、と思います。


どんな生き物でもそうだとは思うんですが、特に人間は、自分の視界の範囲内でしか物事を理解することができません。
日本、それも都会とかに住んでいると、動物=人間であり、植物=誰かが育てたもの、住む場所、歩く場所はコンクリート、という現実しか目の前に現れてくれない。

様々な動物が、いまこのときにだって生きて、死んでいるということを、頭では理解することができても、肌で実感することは死ぬほど難しい。
仮に想像することが可能だとしても、それは『現実』からは若干ずれたものにしかならないことでしょう。

そこでの写真です。
本来ならその場に行った方がいいんでしょうが、写真は、それに負けず劣らずの迫力があります。

なにせ、写真は何千枚の中から選ばれた一枚、いや、一葉だっけ? ともかく、写真家がとんでもない労力をつぎ込んで撮ったものを、私たちは幾ばくかの金銭を払うことで得られるわけです。


――とんでもない贅沢だし、それを払うだけの価値があります。

『見慣れてないものを見る』というのは、脳にとってかなり心地いいです。
それが現実に起きてることなら尚のこと。
やはり、人間、ただ知ってるだけでは駄目なんですね。どんな方法でも、その対象に『触れ』なければ、理解は難しい。


――なあんか途中から『動物写真の販売促進活動』っぽくなってきてしまいましたが、『世界は私が思ったよりも広い』ということを認識できた分だけ、nonokosu本人にとって価値はあった、という話です。

――――また、高い買い物をしてしまいそうな自分がいて、ちょっと怖いです。




8月6日  歴史が動いた?


あー、今日のN○Kで、日米開戦、その直前まで行われた和平交渉とやらを見たんですが――

なんていうか、ものすっごく力が抜けました。


色々な思惑が絡み合い、暗号を解読したりされたりの話は面白かったんですが、結局、時の大統領・ルーズベルトの意思を決定したのが
誤報なんですよね。



――会戦を決意したものの、戦争には何かと準備が要る。
だから、日本とは暫定的に和平を結び、準備必要期間である三ヶ月たったら手のひら返しをしよう――

どうも、これがアメリカ側の思惑だったらしいです。

これに反対したのが中国。
暫定的とはいえ、和平を結ぶんですから、それまで日本に行っていた石油の禁止措置を解除せざるを得ない。これに猛反対したわけです。
アメリカが輸出した石油はそのまま日本の軍備に直結し、中国を侵略してた日本軍をますます勢い付かせることになるって寸法です。中国側が反対するのも当然。
三ヶ月とか言っても、その先、本当にアメリカが日本と戦うかどうかすら分からないですしね。

この中国の猛反対に会い、ずるずると『暫定和平文締結』がのびのびに伸び、そうしているうちに『アメリカが占領してるフィリピンの近くに、大量の船団が通ってるぞ〜』という誤報が入り込んだわけです。……実際には、コレ、ごく普通規模の、当たり前な輸送船団だったそうなんですが……

これを聞いて「和平交渉中なのに日本は何やってんだ〜!!!」とルーズベルトがキレ、日本に妥協していたハル・ノートを強硬路線に変更、一気に戦争へと突入――

こっから先はちょっとあまりに馬鹿らしすぎて見てないんですが、はあ、なんだかなあ、ってな感想ですよ。

仮にも一国の大統領が誤報に踊らされてどうすんだと、思ってしまいます。
『昔のアメリカは立派だったけど、ベトナム戦争以降は堕落してるなあ』というイメージがどっかにあったんですが、どうもそれすら幻想くさいですね。



――まあ、太平洋戦争についてはイデオロギーやら事実認定やらが交錯してるので、ここまでにしますが、一つ思ったことがありました。

戦争やら虐殺をするのは、思った以上に簡単なこと。
それこそトップの偉い人がぶちキレれば、それでOK。
なんにも難しいことはありはしない。
しかも、そうして安易に行っても、勝ってさえいれば『ある程度は』儲けることが可能。

戦術やら戦略やらを考えて考え抜いた結果、『戦争を起した方がまだマシである』と苦渋の決断の末、なんていうのは圧倒的に少ないんでしょう。

人間、進歩してるようでいて、まったく進歩してないんじゃなかろうかと思います。






――――ふと、思ったんですが、そのうちどこかのシンクタンクとかから『戦争をした方が儲からない』という試算を出さないですかね? 軍事関係の武器・ヘリ・物資はどんどん高くなってるんですから、今はもう実質的には『戦争をすれば赤字になる』世界だと思うんですが? 少なくとも軍事係者以外にとっては。

下手に『命を大切にしよう』とか『殺してはいけない』とか言うよりも、『戦争をすると失業者が増えるし、儲けられない』と断言した方が、現代では効果的な気がします。

――ヤな話ですけどね。



8月4日  徴兵免除の理由


フィンランド軍ではインターネット中毒を理由に、
徴兵を免除された若者が結構いるそうです。
本当は何人いるのかは不明。

うーん、本当かいな、と思わず疑ってしまうような話です。

私の場合、1・2週間程度なら無くてもぜんぜん余裕だったんですが、半年とか一年とかになるとツライくなるんでしょうか?
無ければ無いで、なんとかなる、というのが私の実感だったんですが……


――ところで、このニュースを見て思ったのが、『海外でもひきこもりはある?』ってなことでした。
インターネットが無いから体調を崩すというのは、かなり近いものがあると思います。
さらっと調べてみても、まるで分からなかったんですが、いわゆるネットゲームの中毒になってしまう人が、海外でも日本でも増えてるという情報は見かけました。

概念、もしくはそれに相当する単語が無いだけで、予備軍状態の人はそれなりに先進国内にいるんじゃなかろうかと思うんですけどね。


――あー、でも、日本の『ひきこもり』って単語を海外で使用されるのも嫌かもしれません。
最近の『海外に出て行った日本語』に碌なものがない気がするのは、私だけですか? (ヘンタイたらオタクやら談合とか)

どうせなら、もうちょっとカッコイイ概念を輸出したいもんです。



――――ちなみに、徴兵免除された人たちは、三年後に再び徴兵される予定。
「それまでには成長してるだろう」とか、徴兵の担当者は言ってます。




8月2日  デスノートのあれこれ


なんだか今週号のデスノートは、転換期を予感させる終わり方でしたね。
何をするんだか、まるで予想できないんですが、(死神を交換しても意味ないだろうし、言い訳のできないくらい完璧な容疑者となったのに打つ手はあるのか?)、来週が楽しみです。

かなり大胆な仮説としては『Lを引き込む』ことくらいでしょうかね。なんだかんだ言って似たもの同士な点から、Lに『新世界の神にならないか』と言って月が引き込む――――うーん、やっぱ駄目でしょうね。キャラ的にもストーリー的にも。私には予測しきれません。



――ところで、二巻を読み返してみて、ふと思ったんですが、美空ナオミさん、本当に死んだんでしょうか?
状況的には確実に死んでるんですが、ストーリー的に考えると『生きているんじゃなかろうか』という疑問を払拭しきれません。

だって、彼女が登場する理由が、まるで無いんです。
基本的にこの物語は『L対ライト』という構図な筈です。しかし、この部分だけは『美空ナオミVS夜神月』一色になり、それでいてあっさりと、そう、あまりにもあっさりと終わりすぎてる。

――なんかあるんじゃねえか?

思わず裏を読んでしまいます。


とはいえ、現時点では生き残ってる理由がまるで見当たらないので、色々と考えてみました。

――仮説1、『名前が違っていた』。
えーと、もちろん、彼女が美空ナオミという名前であることは間違いないと思います。
けれど、戸籍上の名前と本人が思ってる名前、これが一致するとは限らないわけです。
例えば、芸能人なんかの芸名をデスノートに書いたとすれば、たとえ、それが戸籍上の本名とは違っていても有効になりそうですよね。
戸籍上の名前=デスノートで有効な名前、とは断言できません。
同じように、彼女が自分で『私は結婚すればナオミ・ベンバーになるんだ』と思い続けていた場合、ひょっとしたらデスノートの効力が弱まる可能性があります。

…………うーん、とはいえ、我ながら苦しい仮説かも。


――仮説2、『彼女は妊娠してた』。
2巻によると、デスノートでは、『書かれた人間を操って別の人間を殺す』ということができません。
けれど、彼女が自殺しようとすると、必然的に赤ん坊を『殺す』ということに繋がり、デスノートが効果を表せません。普通はこのまま自殺ではなく心臓麻痺で死ぬはずなんですが、『名前を書かれたものが第三者の死を招かない状況下』でないと心臓麻痺になれないため、これも不可。
つまりは、にっちもさっちも行かない状況になってしまう。
自殺でも心臓麻痺でも、赤ん坊を巻き込んでしまうわけです。


……たぶん、二つとも既に誰かが考えているんだろうなあ、と思いつつも、あるとしたら、多分、仮説2なんじゃないかな、と思います。
デスノート中の時期は6月。
美空ナオミとであったのは1月1日。

『第三者の死を招かない状況』とは、この場合、『美空ナオミが出産したら』。
時期的にも、なんらかの形で発見される可能性が高い。
そして、ライトは『遺体を出来るだけ発見されないように』とは書いているものの、『誰がキラなのかを書き残してはいけない』とは書いていない。(手紙の郵送や電話での犯人指摘は、『発見されないように』というデスノートの文章に引っかかる)


この先、ライトが何らかの形で危機を回避し、やれやれ一安心、というところで『決定的な証拠』が出現するんじゃないかな、などと予想して楽しんでます。


――――けれど、少年誌でここまでブラックな展開はないんだろうなあ。




8月1日 夜のピクニック



を読みました。

……はーどかばーなのに。
とってもたかいのに。
普通の本、さんさつぶんなのに。

単行本になるまでとは言わない、図書館に入荷するのを何故待てない、自分!


まあ、書店に行って『恩田陸』の文字を見ると、自動的に財布が開く構造になっているワタシなので、仕方がないと言えば仕方がないんですが。←ぜんぜん仕方なくない。
この出費は痛いです。
というか書くの早すぎです、もう少し消費者の財布のことを考えてほしいっす。


えー、てなわけで『夜のピクニック』です。
とある学校に行われる行事。
ただひたすらに一日中、昼も夜も歩き続けるという、何のためにあるんだかさっぱりな行事。
そのスタート少し前からゴールまでを描いた小説です。

恩田陸さんらしい、学校特有の『空気』を丁寧かつ綺麗に描き、ちょっとした、それでいて登場キャラ本人にとってはとても重要なことを表現しているんですが――




――私だけ、なんでしょうかね。
これを読んでいて、どうしても『死のロングウォーク』を連想したのは。

ちなみに『死のロングウォーク』とはリチャード・パックマンという偽名でスティーブンキングが書いた小説のことで、爽やかな本書とは12光年くらいかけ離れた物語です。

一言で言えば『あっさり風味なバトルロワイヤル』。
血みどろです。

ある一定の速度で昼も夜もなく歩き続け、規定速度以下で三回以上歩いてしまうと、後ろの兵隊にズドン。
軍事国家と化したアメリカで行われる、本人希望参加な『娯楽』・『見世物』です。

『ずうっと歩く』と『登場人物の年齢層』以外の共通点はまるでないんですが、読んでいる最中、ずっとこの『死のロングウォーク』が頭にこびりつき、どうも素直に本書を楽しめませんでした。

『バトルロワイヤル』と同じ設定で、みんなが楽しくやっているのを見る違和感、でしょうか。

少しでも似てる箇所を見つけてしまうと、どうもそっちのほうに意識を持っていかれます。




――いや、普通に楽しかったことは楽しかったんですけどね。
良くも悪くも『恩田陸』な小説です。

とんでもなく盛り上がる箇所があるわけじゃありませんが、読み終わった後、妙に印象や意識に残ります。

ある高校生たちの『ほんのすこしだけ特別な24時間』を切り取り、見せてもらったような。
リアルから一歩離れつつも、『こういうことが現実にあるかも』と思わせてくれる作品です。